【読了】山田悠介『リアル鬼ごっこ』
【注意】
これは私のTwitterのつぶやきの延長線上で書いたものです。内容は読了ツイートをただ拡大してだらだら話しているだけです。
ご了承ください。
ホラーやサバイバルものを得意とする山田悠介さんのデビュー小説です。
私はこのリアル鬼ごっこの映画版が大好きなのですが、なんと原作を読んでいませんでした!!
せっかくなので読んでみようということで買ってみました。
舞台は西暦3000年の日本。設定いたってシンプルです。
全国500万人の「佐藤」さんを抹殺せよ・・・!!!
この物語の主人公、佐藤翼は陸上部で毎日汗を流す大学生。
ひょんなことから生まれた王様の「リアル鬼ごっこ」計画によって翼の穏やかな日常は突如崩れ始め・・・
いやー、映画とはまた違う良さがありましたね。面白かったです。
私は映画を3作目まで見ているのですが、設定が全く違うので原作はかなり新鮮でした。パラレルワールド設定もなかったですし。
良かった点として、映画に比べて登場人物の背景や主人公の人間関係が濃く描かれています。特に妹の愛とのストーリーにはぐっとくるものがありました。翼の過去も映画に比べて相当暗いです。だからこそ感情移入がしやすい。
あと理不尽な世の中で人々が狂っていく姿が鮮明に表現されているのもよかったです。
リアル鬼ごっこの対象者となるのは全国の「佐藤」さんのみ。
要するにそれ以外の人は普通に生活しているわけです。その中で増える「佐藤」さんによる犯罪。そんな「佐藤」さんに対して同情しながらも見て見ぬふりをする一般人。
そしてその世の中に振り回される翼。
今の日本にも通じるものがあるような気がしました。非常にリアルな描写でかなり気づかされるものがあります。
だらだらと話していますが、作品としてはかなり好きです。
ただ個人的に感じるのは、
ハラハラしすぎて読んでいて疲れる、ということでしょうか。これは私がビビりなだけかもしれませんが。
文章の中に繰り返しの表現がとても多いんですよね。「逃げろ、早く逃げろ・・・!」
「ゴーグル・・・ゴーグル!?」などです。これがまた読んでいてすごく焦るんですよね。主人公や登場人物の焦りや緊張感がフルで伝わってくるので私は好きな表現方法ですが、なんせ作品が作品なのでハラハラしちゃって大変でした。
内容に関してもかなりあっさりしています。終始リアル鬼ごっこなので。
なので深く読み込みたい、じっくり楽しみたいという方にはあまりお勧めしないかな。
私みたいに何も考えずスリリングに楽しみたい!!という方にお勧めです。
あまりホラー小説は読まないのですが、この作品は楽しく読めました。
心と時間に余裕があるときに、皆様もぜひ読んでみてください。それでは。